入社して3年目までの期間は、仕事の基礎を固め、成長の土台を築く大切な時期です。プロジェクトに参画するときに何を意識すれば、チーム全体の成果を高め、結果として自分自身の市場価値を向上させることができるのでしょうか。先輩たちの経験をもとに、重要な3つのポイントを紹介します。
全体視点をもって担当タスクがどういった意味を持つのかを理解する
プロジェクトでは、自分が担当するタスクがどのように全体に影響を与えるのかを理解することが重要です。全体工程を把握するためには、積極的に先輩や上司に確認しましょう。これにより、作業の目的を明確にし、より効率的にチームの成果に貢献できるようになります。
先輩社員のエピソード(入社1年目 Dさんのケース)
入社1年目のDさんは、初めてのプロジェクトで画面作成を担当していました。しかし、進めていくうちに、他のメンバーが作業している機能と一部が重複していることが発覚。結果として、手戻りが発生し、作業時間が無駄になってしまいました。
原因を振り返ると、自身のタスク管理に意識が向きすぎており、他のメンバーの作業内容を把握していなかったことが問題でした。そこでDさんは、朝会での作業報告時に「自分の担当タスクと似た作業をしている人がいないか」を積極的に確認するようにしました。また、画面の導線を意識し、同じ機能が他の画面でも使われていないかを事前にチェックするようになりました。
この取り組みを続けることで、Dさんはタスクを単体ではなく、プロジェクト全体の中で考えられるようになり、結果としてチームの業務がよりスムーズに進むようになりました。全体視点を持つことで、働きやすい環境づくりにもつながることを実感したそうです。
先輩社員のエピソード(入社1年目 Eさんのケース)
入社1年目のEさんは、プロジェクトで特定の画面の作成を任されました。指示通りに作業を進めていたものの、その画面がどこから遷移してくるのか、どのような役割を果たすのかを深く考えられていませんでした。その結果、完成した画面が他の機能とスムーズにつながらず、修正が必要になってしまいました。
振り返ると、Eさんは「この画面を作る」という目の前の作業に集中するあまり、「この画面がシステム全体の中でどんな役割を持つのか」を意識できていなかったことが原因でした。そこで、Eさんはプロジェクト内で共有されていた画面遷移をまとめたエクセル資料を熟読し、画面の流れを把握するようにしました。また、遠隔医療システム全体の仕組みを改めて学び、全体像を意識しながら作業することを心がけました。
この取り組みを続けた結果、Eさんは「画面単体ではなく、全体の中での役割を考えて設計する」ことの重要性を理解し、作業の質が向上。プロジェクトメンバーとの連携もスムーズになり、結果として働きやすい環境づくりにもつながりました。
報連相を徹底する
当社は、上司も先輩も気さくで話しやすいフレンドリーな環境が社風でもあります。そのため、「気軽に早めにどんなことでも報連相する」ことを意識し、関係各位と情報連携することが大切です。報連相が徹底されることで、チームの連携がスムーズになり、結果的に働きやすい環境が生まれます。
先輩社員のエピソード(入社1年目 Fさんのケース)
入社1年目のFさんは、プロジェクト内でのコミュニケーションの中で、認識のズレを感じる場面が多々ありました。自分ではしっかり確認しているつもりでも、想定と違う回答が返ってきたり、相手の意図を正しくくみ取れなかったりすることがありました。
振り返ると、Fさんは「相手が答えやすいように」と配慮しすぎるあまり、遠回しな聞き方をしてしまい、結果として相手が意図しない解釈をしてしまうことがあったのです。特に、タスクの進捗状況など少し聞きにくいことについては、曖昧な表現を使ってしまい、認識齟齬が生じてしまっていました。
そこでFさんは、「相手に配慮しつつも、必要な情報はストレートに確認する」ことを意識するようにしました。例えば、「進捗どうですか?」と漠然と聞くのではなく、「〇〇の作業はどこまで進んでいますか?」と具体的に聞くように改善。また、自分の状況をしっかり伝えた上で、相手の状況も把握するよう努めました。
この意識を持つことで、チーム内の報連相がスムーズになり、認識齟齬も減少。結果として、プロジェクトの進行が円滑になり、チーム全体の働きやすい環境づくりにもつながりました。
先輩社員のエピソード(入社1年目 Gさんのケース)
入社1年目のGさんは、コードレビューを受けた際に、指摘された点の対応状況を十分に伝えられていないことに気付きました。レビューコメントの中で特に重要だと思ったものにだけ返信し、それ以外の指摘については「最後のコメントで対応済みと伝えれば問題ない」と考えていたのです。
しかし、レビューを担当した先輩から「どの指摘に対してどのように対応したのかが分かりづらい」とフィードバックを受けました。先輩側からすると、すべての指摘に適切に対応されているかが不明確であり、確認作業に余計な時間がかかってしまっていたのです。
この経験を経て、Gさんは「相手が理解しやすい報告」を意識するようになりました。具体的には、レビューコメント一つひとつに対して返信を行い、どの指摘にどのように対応したのかを明確に記載。これにより、レビューを担当する先輩もスムーズに確認でき、双方の作業効率が向上しました。
報連相では、「自分が伝えたつもり」ではなく、「相手が理解しやすいかどうか」を意識することが重要。この改善を行ったことで、Gさん自身もスムーズにフィードバックを受けられるようになり、チーム全体のコミュニケーションも円滑になりました。結果として、働きやすい環境づくりにもつながったのです。
フォロワーシップを徹底する
上司や先輩、現場リーダーと連携し、チームでの自分の役割と期待を理解することで、チーム全体の成果につなげることができます。フォロワーシップを発揮することで、チームの雰囲気が良くなり、働きやすい環境づくりにも貢献できます。
先輩社員のエピソード(入社2年目 Hさんのケース)
入社2年目のHさんは、システムの仕様理解が深まるにつれ、初めて自分で不備を見つけることができました。以前は与えられたタスクをこなすことに精一杯でしたが、このとき初めて「より良い形に改善できるのではないか?」と考え、改善案を自ら考案。リーダーに提案しました。
しかし、リーダーからは「そのやり方ではなく、こっちの方法の方が適しているのではないか」と、別のアプローチを提示されました。以前のHさんであれば、リーダーの意見をそのまま受け入れていたかもしれませんが、自分の案のほうが保守性と再利用性の向上につながると確信していたため、リーダーと議論を重ねました。
最終的に、チーム全体で検討した結果、Hさんの案が採用されました。提案から設計、実装、テストまで一貫して責任を持ち、改善をやり遂げたことで、大きな達成感を得ました。この経験を通じて、Hさんは「リーダーの決定が必ずしも絶対ではなく、より良い方法を自ら考え積極的に提案すべきである」と実感しました。結果的に、システムの品質向上にもつながり、チーム全体としての成果も高まりました。
フォロワーシップとは、単に上司や先輩の指示に従うことではなく、主体的にチームの成果向上に貢献する姿勢を持つこと。Hさんのように、自らの視点で改善策を考え、積極的に意見を発信することで、より良い成果を生み出すことができるのです。
まとめ
プロジェクトに参画する際、「全体視点の理解」「報連相」「フォロワーシップ」を意識することで、スムーズに業務を進め、チームの成果を高めることができます。そして、その積み重ねが、結果的に働きやすい環境をつくり、自分自身の市場価値を高めることにもつながります。
最初は分からないことだらけでも大丈夫です。少しずつ経験を積みながら、チームとともに成長し、3年後の自分が誇れるキャリアを築いていきましょう!