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2026.02.12

【SW AI Seminar】AIにコードを書かせる時代の「エンジニアの価値」とは?「賢いのに使えない」を突破する、3つの生存戦略

「AIがコードを書くようになったら、自分たちの仕事はなくなるのではないか?」

生成AIの進化に伴い、そんな漠然とした不安を抱えているエンジニアは少なくありません。しかし、先日開催された社内セミナー『AI SEMINAR』で登壇した田渕が語ったのは、悲観的な未来ではなく、「エンジニアの価値が再定義され、より面白くなる」という希望のシナリオでした。

「AIを使う人」から「AIで成果を出す人」へ。明日から現場で使える思考のフレームワークを、60分の熱量とともにお届けします。

1. なぜAIは「賢い」のに「現場で詰まる」のか?

「デモでは凄かったのに、実業務に組み込んだら使い物にならなかった」。2025年、多くの企業がこの「幻滅期」の壁に直面しました 。

セミナー前半で田渕が指摘したのは、現在の生成AIが持つ「Jagged Intelligence(ギザギザな知性)」という特性です 。 AIはある分野では超人的な能力を発揮する一方で、人間なら絶対に間違えないような簡単な計算や論理で、自信満々にミスを犯します 。

これまでのエンジニアの価値が「正確なコードを書くこと」だったとすれば、これからの価値は「この不確実なAIの出力を、いかにシステムとして制御し、業務上の正解に着地させるか」に移っています 。モデルの性能競争は研究者に任せ、エンジニアは「設計と運用」で勝負する時代が到来しているのです 。

2. 「自律スライダー」でAIの手綱を握る

では、具体的にどう設計すればよいのでしょうか? そこで提示されたのが「不確実性設計(Uncertainty Design)」という概念です 。

AIの実装は「全自動か、手動か」の0か100かではありません。田渕は、人気エディタ『Cursor』を例に挙げ、「自律スライダー(Autonomy Slider)」という考え方を紹介しました 。

  • ・低自律(Low): AI はほぼアシストのみで、コード生成は人間の指示に基づいて行う。
  • ・中自律(Mid): AI が提案や部分的なコード生成を行い、人間が都度承認・修正しながら進める。
  • ・高自律(Agent): AI がタスクの分解、コード生成、修正、テストまでほぼ自動で進める。

重要なのは、機能やリスクの大きさに応じて、このスライダーを適切に調整することです。「どこまでをAIに任せ、どこで人間にバトンを戻すか」。この境界線を設計できることこそが、AI時代のエンジニアの新たなコアスキルとなります 。

3. AIは忘れる。だから「プロダクト」に記憶させる

もう一つ、生成AIの弱点として挙げられたのが「前方性健忘(Anterograde Amnesia)」です 。今のAIは、一度成功したタスクでも、次の日にはまた同じミスをする可能性があります。AI単体では経験が積み上がりません 。

だからこそ、エンジニアは「改善ループ」をシステム側に構築する必要があります 。

  • ・失敗ログの収集: ユーザーが修正した箇所やエラーを記録する 。
  • ・システム更新: AI自体を学習させるのではなく、プロンプトやナレッジベース(RAG)を更新し、システムとして賢くする 。

セミナーでは、『Cursor』の開発チームが実践している「Fuzz(集団破壊テスト)」のエピソードも紹介されました 。リリース前に全社員で60分間徹底的にシステムを使い倒し、わざと壊しに行く。この泥臭いフィードバックループこそが、AIプロダクトの品質を支えているのです 。

4. 求められるのは「提案力」と「柔軟性」

技術的な変化に加え、エンジニアのマインドセットについても言及がありました。 変化の激しいAI時代において最強の資質は、「提案と素直さ(柔軟性)の両立」です 。

未知の技術に対して「こうすればできるのではないか」と仮説を持って提案しつつ、AIの特性や周囲からのフィードバックに対しては素直に向き合い、柔軟にやり方を変えられる人 。過去の成功パターンに固執せず、現実に即してアップデートし続けられるエンジニアのもとにこそ、「任せてみよう」という信頼とチャンスが集まります 。

5. 「AIで成果を出す人」へ

セミナーの最後、参加者アンケートでは「キャリアが楽しみ」と答えた人が過半数を占めました 。

  • ・問題設定: 何を解くべきかを定義する 。
  • ・不確実性設計: AIの不完全さをシステムでカバーする 。
  • ・改善ループ: 使えば使うほど賢くなる仕組みを作る 。

これら3つの価値を回すことができれば、AIは脅威ではなく、最強の武器になります 。 コードを書くこと(Software 1.0)から、AIを指揮して成果を出すこと(Software 3.0)へ 。エンジニアの仕事は、よりクリエイティブで、より本質的な課題解決へと進化しています。

編集後記

質疑応答では、現在開発中の「社長AI(暗黙知AI)」構想についても触れられました 。経営者の判断軸や感情といった「暗黙知」をいかにAIに移植するか。単なる業務効率化を超え、人の想いや哲学までテクノロジーで継承しようとする当社の挑戦は、まだ始まったばかりです。

「新しい時代のエンジニア像」を、私たちと一緒に模索し、具現化していきませんか? 変化を恐れず、柔軟に進化し続けられる仲間を、心からお待ちしています。

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