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2026.02.25

【SW AI Seminar】「AIを入れただけ」では現場は救われない。EdTechから学ぶ、真の業務プロセス変革(BPR)とは

「最新のAIツールを導入したのに、現場の残業が減るどころか疲弊している」。そんなIT導入の「あるある」な悲劇に心当たりはありませんか? 先日開催された社内セミナー『EdTech比較から読み解く現場の業務変革(BPR)』では、株式会社スカイウイルの式町が登壇しました 。過酷な労働環境とシビアな結果責任が入り交じる「教育現場」を究極のケーススタディとして、AI導入を成功に導く真のプロセス変革について語られました 。その熱いセッションの内容を凝縮してお届けします。

1. 教育現場を苦しめる「2つのペイン」と「二度手間の悲劇」

生徒のためを想うほど、教員は深夜のプリント作成や丸付けに追われ、過酷な労働環境に陥りがちです 。一方で、30人の生徒がいればつまずくポイントも30通りあり、一斉授業で一人ひとりに最適な指導を行うのは人力では限界があります 。

この「教員の長時間労働」と「生徒の理解度のばらつき」というジレンマを解決する唯一のブレイクスルーが、AIの活用です 。しかし、ただ優れたAIツールを現場に入れただけでは必ず失敗すると式町は指摘します 。

既存のアナログな業務フロー(人間がすべてを手厚くダブルチェックする文化)を残したままAIを入れると、AIが生成したデータを教員がわざわざ再確認するという「謎の二度手間」が発生し、システムが形骸化して現場がさらに疲弊してしまうのです 。

2. ティーチングからコーチングへ:「教える」を手放す勇気

この悲劇を防ぐための唯一の解は、人間が「教えること」を勇気を持って手放すことです 。

セミナーでは、教育ドメインに深く入り込み、本質的なBPRを引き起こす「特化型AI」の事例が紹介されました 。

  • ・atama+:数億件のデータから生徒のつまずきの「根本原因」を瞬時に特定し、専用カリキュラムを自動生成します 。
  • ・Monoxer(モノグサ):個人の忘却曲線を予測して最適に出題することで、小テストの作成や採点といったアナログ労働を実質ゼロにします 。

AIが個別最適化された「ティーチング(知識の伝達)」を担うことで、教員は浮いた時間を、人間にしかできない「コーチング(伴走・動機付け・進捗管理)」に全集中できるようになります 。AI導入とは単なる業務の効率化ではなく、人間の役割(Job Description)の再定義なのです 。

3. 「答えを教えないAI」と「プロンプトを書かせないUI」

さらに、開発者やQAエンジニア視点での実践的なヒントも語られました 。

  • ・あえて答えを教えない(非機能要件):米国のAI家庭教師「Khanmigo」は、生徒から答えを聞かれてもすぐには答えず、「まずはどう解き始めたか教えてくれる?」と問い返します 。教育において「AIがすぐに答えを出すこと」は生徒の思考力を奪う致命的なバグであり、あえて機能制限をするガードレール設計が重要になります 。
  • ・プロンプトを書かせないUI:校務支援AI「スタディポケット」は、教員にプロンプトを入力させるのではなく、目的のボタンを選ぶだけで裏側でAIがプロンプトを構築します 。一部のITリテラシーが高い人だけでなく、全員が使えるようにUIで格差を完全に吸収することが、システム定着の絶対条件です 。

4. 退塾予測と社員の離職予測は同じ? 自社組織への応用

教育現場で起きている「客観的データへのシフト」は、そのまま自社の組織づくり(データドリブンHR)にも強力なフレームワークとして応用できます 。

たとえば、生徒の「連続欠席」や「宿題未提出」からAIが退塾リスクを予測する仕組みは、自社における「勤怠の乱れ」や「エンゲージメント低下」から社員の離職リスクを検知する構造と全く同じです 。

しかし、AIが予測アラートを出しただけでは人は動きません 。データが出た後に「誰が・いつ・どう介入するか(1on1や面談のフォローなど)」というネクストアクションの業務ルールまでセットで設計して初めて、組織を変えることができるのです 。

5. ツール売りからの脱却:私たちが提供すべき真の価値

「このツールを入れれば便利になりますよ」という単なる機能訴求(SaaS売り)からは脱却しなければなりません 。

私たちが顧客に提案すべきは、システムという「機能」ではなく、AIを前提とした新しい「業務プロセス(BPR)」です 。既存プロセスの破棄を提言し、新ルールが現場に定着するまで泥臭く伴走支援する「真のBPRパートナー」になることが求められています 。

テクノロジーは人を置き換えるためではなく、人が「人にしかできないこと」に集中するために存在します 。

編集後記

本セミナーでは、BtoBtoCの複雑な構造を持つ教育現場を題材に、全ステークホルダーのペインを解消する泥臭いUI/UX設計の重要性なども語られました 。ITコンサルタント、開発エンジニア、QAエンジニア、そして人事まで、あらゆる職種にとって明日からの自社業務に直結する「生きた教科書」となる内容でした 。

当社では、単なるシステム導入にとどまらず、お客様の真の業務変革(BPR)に伴走できる仲間を募集しています。少しでも興味を持たれた方は、ぜひ採用ページも覗いてみてください。

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