当社では、入社2年目の社員が1年間の軌跡を全社へ発表し、自らの歩みを振り返る「成長報告会」という取り組みを大切にしています。新入社員へのエールも兼ねたこのステージを、全6回のシリーズコラムとしてお届けします。皆さんの成長のヒントとして、ぜひご一読ください。
第1回は、未知の領域で自走力を手に入れたエンジニアの成長ストーリーです。
「悩むよりも、聞いた方が早いパターンが多いと気づいたんです。今は『30分詰まったら先輩に聞く』を徹底しています」
入社2年目を迎えた社員が、1年間の軌跡を全社に向けて発表する「成長報告会」。
ラーメンとゲームをこよなく愛し、社内のラーメンサークルにも皆勤賞で参加しているという橋場愛朗さんは、朗らかな笑顔で自身の成長を振り返りました。
彼が現在携わっているのは、AIの中でも高度な専門知識が求められる「強化学習」を用いた研究開発(R&D)プロジェクト。鉄道の運行支援シミュレータや、化学プラントの操作支援シミュレータの開発など、インフラを支える最先端の領域に挑んでいます。
未知の技術、少人数のチーム、そして正解のない研究開発という環境の中で、彼はどのように壁を乗り越え、エンジニアとしての自走力を手に入れたのでしょうか。

第1章:研究開発の壁。「何を聞けばいいのかすら分からない」日々
橋場さんが配属されたのは、運転士の「暗黙知」や、化学プラントにおける複雑な「手動バルブ操作」を、強化学習を用いて最適化・システム化するという難易度の高いプロジェクトでした。
研究開発の現場は、一般的なシステム開発とは異なります。前例がないためコードの全体像を把握するためのナレッジ資料も少なく、使用するプログラミング言語も、計算速度が求められる「Julia(ジュリア)」という、彼にとって全く未知の言語でした。
「最初は自分が何を質問していいのか、してはいけないのか、それすら分からなかったんです。結果として、一人で長時間悩み続けてしまい、作業が完全にストップしてしまうことが何度もありました」
フルリモート環境も相まって、ひとりでドツボにハマってしまう日々。しかし、彼はその状況を打破するための「自分なりのルール」を見つけ出します。
第2章:「つぶやき」と「30分ルール」で掴んだキャッチアップ術
長時間の停滞を防ぐため、橋場さんが徹底したのが「30分程度詰まったら、もうこれ以上悩んでも意味がないと見切りをつけて先輩に聞く」というルールでした。
リモートワークならではの工夫として、チャットツール(Slack)をまるでSNSのように使いこなし、「今ここで悩んでいる」「これが分からない」と気軽に「つぶやく」方式を採用。すると、それを見た有識者の先輩エンジニアたちが「どうしたの?」「画面共有してごらん」とすぐに拾い上げ、Zoomで手厚くフォローしてくれるようになったのです。
周囲の助けをうまく引き出せるようになったことで、彼の技術習得スピードは一気に加速しました。動的型付けのようでありながら型安定性を意識しないと速度が出ないJulia言語特有の癖にも慣れ、今ではルールベースの修正だけでなく、強化学習側の「報酬設計」や「行動の追加」といった中核のタスクまで任されるまでに成長しました。
第3章:結論が見えない報告からの脱却。先輩との「秘密の特訓」
技術面で成長を見せる一方、彼には「コミュニケーション」という大きな課題がありました。
「進捗報告のとき、経緯から長々と話してしまって、話している自分も聞いている側も『で、結局、結論は何だっけ?』となってしまうことがよくあったんです」
そんな彼の弱点を見抜き、手を差し伸べてくれたのも現場の先輩でした。
毎日の進捗報告の前などに30分の時間を設け、橋場さんのためだけに「個別の報告練習」に付き合ってくれたのです。「結論から話す」「トピックを1つ2つに絞る」といった実践的なフィードバックを繰り返し受けたことで、彼の論理的に伝える力は劇的に向上していきました。
さらに、業務で実行した手順を一つひとつメモに残し、チームのナレッジとして蓄積していく先輩の「プロ意識」を間近で学んだことも、エンジニアとしての大きな財産になったと語ります。
第4章:強化学習の「本質」を見極めるエンジニアへの飛躍
周囲の手厚いサポートを受けながら、未知の領域を切り拓いてきた橋場さん。彼の視線はすでに、さらに高い次元へと向けられていました。今後の目標として彼が掲げたのは、強化学習の「本質的な理解」です。現在は報酬設計やアクション作成など表面的な調整ができるようになっていますが、今後は裏側の仕組みを根本から理解し、どんな課題に対しても自ら最適なモデルを構築・提案できるAIのプロフェッショナルを目指したいと力強く語りました。
こうした彼の発表に対し、経営陣からも惜しみない賛辞が送られました。HR責任者の門奈は、フルリモート環境下で「30分悩んだら聞く」というルールを徹底し、学んだことを着実にナレッジとして蓄積している姿勢を高く評価。自ら学びの仕組みを作り上げたことが、飛躍的なステップアップに繋がったと称えました。
また、長谷川社長は「これからの時代、AIをはじめとする新しい技術に次々と対応していく必要がありますが、橋場さんのように自分なりのアプローチ方法を確立できたことは素晴らしい強みになる」とコメント。さらに、彼が直面した「報告の仕方」というコミュニケーションの課題についても触れ、「ITエンジニアはどうしても技術だけに目が行きがちですが、チームで動く以上、コミュニケーションをしっかり磨くことがプロとして非常に重要だと1年目で気づけたことは大きな財産です」と、その成長を労いました。
何が分からないかも分からなかった新入社員は、自らの弱点と向き合い、周囲を巻き込むことで、最先端の研究開発現場で確かな戦力へと進化しました。
スカイウイルには、最先端の技術領域に挑戦できる環境と、つまずいたときに手を差し伸べ、共に伴走してくれる温かい先輩たちがいます。
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