
あらすじ
リモートワークが当たり前になり、チャット中心で仕事を進める毎日。
タスクは進んでいるはずなのに、「これって順調なんだろうか」「周りは何をしているんだろう」と、モヤモヤを抱えるユウタ。
質問したいことはある。でも、
「今聞いていいのかな…」「こんなことで呼び止めて大丈夫かな…」
気づけば、ひとりで抱え込んでしまっていた。
そんなユウタの様子に気づいた先輩が、さりげなく声をかける。
ユウタ
「先輩……ちょっといいですか」
「最近、リモートだと“自分がちゃんと仕事できてるのか”分からなくなることがあって……」
先輩
「うんうん。進捗は出してるし、作業も止まってない。でも、不安になる感じ?」
ユウタ
「そうなんです」
「詰まってるほどじゃないんですけど、“この判断で合ってるのかな”ってところが地味に多くて」
「でも、毎回聞くのも邪魔かなって思って……」
先輩
「なるほどね。それ、“仕事ができてない不安”じゃなくて」
「周りが見えない不安だと思うよ」
ユウタ
「見えない……?」
先輩
「オフィスならさ、
『今ちょっと忙しそうだな』とか
『あ、今なら聞けそう』とか、空気で分かったでしょ?」
「リモートだと、それが全部消えるんだ」
ユウタ
「あ……確かに」
「相手の状況が分からないから、余計に遠慮しちゃってます」
先輩
「だから大事なのは、“ちゃんとやってます”を証明することじゃない」
「途中を見せること」
「今日は、リモートでも不安を溜め込まないための3つのメソッドを話そうか」
メソッド①:「分報」チャットで“途中”を出す

先輩
「まず一つ目は、“分報”チャット」
ユウタ
「分報……正直、何を書けばいいのか分からなくて」
「進捗報告みたいにちゃんと書かないとダメかなって思ってました」
先輩
「それ、みんな最初に悩むやつね」
「でも分報は“報告書”じゃない。独り言に近い」
ユウタ
「独り言……?」
先輩
「例えば、
『〇〇機能の実装中。△△の仕様で少し悩み中』
『APIレスポンス待ち。先に別タスク進めます』
これで十分」
ユウタ
「そんな一言でいいんですか?」
先輩
「いい。むしろそれがいい」
「それを見るだけで、周りは“今ここで考えてるんだな”って分かる」
ユウタ
「……あ、だから先輩、たまに僕が何も聞いてないのに声かけてくれたんですね」
先輩
「そうそう。分報は“助けてください”って言わなくても、助けが届く仕組みなんだ」
「ただし、つぶやきすぎると見る側が疲れるから、チームで粒度をそろえるのがコツだよ」
メソッド②:テキストで迷ったら「5分だけ」ビデオ通話

ユウタ
「僕、質問文を考えてるうちに時間が経っちゃうことが多くて……」
「送ったあとに“これ、伝わるかな”って不安になることもあります」
先輩
「それなら二つ目。“5分だけビデオ通話”」
ユウタ
「えっ、通話ってハードル高くないですか?」
先輩
「だから“5分だけいいですか?”って言う」
「時間が決まってると、相手も気楽なんだ」
ユウタ
「確かに……」
先輩
「テキストは正確だけど、感情や迷いは伝わりにくい」
「声で
『ここがちょっと不安で』
って言うだけで、状況は一瞬で共有できる」
ユウタ
「今も、話してるだけでだいぶ安心してます……」
先輩
「それがリモートの落とし穴」
「“話さない不安”は、話すことでしか消えない」
メソッド③:ステータス可視化で“話しかけやすさ”を作る

先輩
「三つ目は、“ステータスの見える化”」
ユウタ
「カレンダーとか、チャットのステータスですね」
先輩
「そう。
『集中作業中』
『〇時以降対応可』
これを出しておくだけで、周りは安心して声をかけられる」
ユウタ
「逆に、先輩が今話せるか分からなくて、聞くのをやめたこと何回もあります……」
先輩
「あるある」
「ステータスって、“話しかけないで”じゃなくて」
「“いつなら話しかけていいか”を伝えるものなんだ」
ユウタ
「そう考えると、ちゃんと出したほうが親切ですね」
ユウタ
「リモートって、自分で全部抱えなきゃいけない気がしてました」
「でも、見せ方を変えるだけで、こんなに楽になるんですね」
先輩
「仕事は一人で頑張るものじゃないからね」
「ユウタはちゃんと考えてる。あとは、それを少し外に出すだけ」
ユウタ
「まずは分報からやってみます」
「“迷ってる途中”も出していいって、ちょっと気が楽になりました」
先輩
「いいね。その調子」
「不安を溜めない人ほど、成長も早いよ」
応用ヒント
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・分報は「結論」ではなく「途中経過」を書くほうが助けが入りやすい
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・ビデオ通話前に「聞きたいことを1行で整理」しておくと5分で終わる
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・ステータス更新は“朝・午後・夕方”など時間を決めて習慣化すると忘れにくい
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・他メンバーの分報を見るだけでも、チーム全体の流れが把握できる
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・「不安を出す=未熟」ではなく、「不安を出す=チームへの共有」と考える