
あらすじ
「すみません…予定より倍かかってしまって…」
入社2年目のユウタが肩を落としている。初めて任されたタスク見積もり。「3日くらいでできます!」と勢いよく答えたものの、実際は6日かかってしまった。
“ちゃんとやったはずなのに…”と落ち込むユウタに、先輩が優しく声をかける。
「大丈夫。見積もりはセンスじゃなくて“技術”。やり方を覚えれば誰でも上手くなるよ。」
ユウタ:
「先輩…僕の見積もり、やっぱりダメダメでしたよね…。3日って言ったのに倍かかっちゃって…スケジュールにも影響して…。」
先輩:
「うん、たしかにズレはあったね。でもね、ユウタ。“最初はズレる”のが普通なんだよ。」
ユウタ:
「え、普通なんですか…?」
先輩:
「そう。“感覚で答える”からズレるだけで、技術を使えばちゃんと精度が上がる。今日は“根拠ある見積もり”の3つのコツを伝授しよう。」
ユウタの表情が少しだけ明るくなる。
🧱 メソッド①:タスク分解法 ― 作業は“半日(4時間)以下”に割る!

先輩:
「まずは“タスクを小さくする”こと。
『API開発:3日』みたいな大きな塊のままだと、絶対にブレる。」
ユウタ:
「たしかに…かなりざっくりしてました。」
先輩:
「例えばAPIなら――
・調査
・設計
・実装
・テスト
こんな感じで細かく分けられる。1つ1つを“1時間単位”にすると、時間の見通しが一気に良くなるんだ。」
ユウタ:
「1時間単位!そんなに細かく…!」
先輩:
「レゴブロックと同じだよ。大きな塊は重くて持ちにくいけど、小さいブロックなら積み上げやすい。
見積もりも同じで、“細かいほうが正確になる”んだ。」
ユウタ:
「なるほど…大きく考えすぎてたかもしれません。」
🎯 メソッド②:3点見積もり ― 楽観・悲観・最頻値で“幅”をもつ!

ユウタ:
「2つ目のコツはなんですか?」
先輩:
「“3点見積もり”だ。これは実務でめちゃくちゃ使える。」
ユウタ:
「前から気になってたやつです!」
先輩:
「やり方はシンプルで――
・楽観値:何も起きなかった場合の最短
・悲観値:調査・トラブルが発生したら最長
・最頻値:現実的に一番ありそうな時間
この3つを出すだけで、グッと説得力のある見積もりになる。」
ユウタ:
「確かに…“幅”があると安心ですね。」
先輩:
「さらに“期待値”も出せる。
たとえば 楽観2h/悲観10h/最頻4h なら――
(2 + 10 + 4×4) ÷ 6 = 4.67h。」
ユウタ:
「おお、数字で根拠が出せるんですね!説明しやすい!」
先輩:
「そう。“なんとなく3日”じゃなくて、“こういう理由で4.7時間です”って言えるようになる。
数字は味方だよ。」
⏱ メソッド③:バッファの明示 ― “予備時間”は最初から計上する!

先輩:
「最後は“バッファ”。見積もりの救世主だよ。」
ユウタ:
「あ…調査とかレビューとか、いつも想定外がありました…。」
先輩:
「だよね。でもね、それは“想定外”じゃなく“普通に起きること”なんだ。
だから最初から別枠で時間を確保するのがプロのやり方。」
ユウタ:
「別枠で…!」
先輩:
「たとえば “作業6h + バッファ2h”。
これを事前に共有すると、“余裕のない計画”を避けられる。
バッファは甘えじゃない。“リスク管理”なんだ。」
ユウタ:
「確かに…バッファがあるだけで心の余裕も違います。」
先輩:
「そう。“人もスケジュールも余裕が命”だよ。」
ユウタ:
「今日の話、すごく納得できました。次は“根拠ある見積もり”が出せそうです!」
先輩:
「うん、ユウタは吸収が早いから大丈夫。見積もりは“経験値×技術”。続けていけば必ず精度が上がるよ。」
ユウタはいつもの笑顔を取り戻し、また前向きにキーボードへ向かっていった。
🔍 応用ヒント:実務で活かすポイント
・タスク分解後は「依存関係」も整理しておくとさらに制度が上がる
・3点見積もりの“最頻値”は、過去の実績ログや先輩の経験を参考にすると精度UP
・バッファの説明は「リスク対応時間」と言うと上司の理解を得やすい
・見積もり→実績の差を毎回振り返ると、精度がどんどん上がる
・不確実性が高い作業は、先に“調査タスク”として切り出すのが効果的
💬 先輩のひとこと
「見積もりは約束じゃない。より良い計画をつくるための“プロの対話ツール”なんだよ。」