「AIを使えば、何でも簡単にできる時代になる」。世間がそんな期待に浮き足立つ中、開発の最前線で一人、PCのモニターを食い入るように見つめ、深く思索にふける若きエンジニアの姿があった。
当社の次世代エースであり、プロジェクトマネージャーを務める海貝だ。
「……また違う。AIが『もっともらしい嘘』をついている」
最先端のAIプロダクトを「ゼロからイチ」で創り上げる現場は、決してスマートな魔法の世界などではない。正解のない暗闇の中で、泥臭く技術と向き合う果てしない道のりだ。
これは、未知の領域に挑み、若手チームを牽引しながらフルスタックエンジニアとしての真価を追求し続ける、リーダー・海貝の熱狂のストーリーである。

「言われたものを作る」のはエンジニアじゃない。顧客の心の奥底へ踏み込む
「AIを使って、何かいいシステムができないか」。顧客である税理士法人からの相談は、最初はそんな漠然としたものだった。明確な要望も、仕様書もない。
普通のエンジニアなら「要件が決まってからにしてください」と突き返すかもしれない。しかし、海貝は違った。「言われた通りにシステムを組むだけなら、極論、誰にでもできる。本当の課題は、顧客自身も気づいていないところにあるはずだ」。
海貝は、自ら現場の税理士たちと対話を重ね、「何に悩んでいるのか」をひたすらに引き出していった。そして突き止めたのが、1人あたり約20件もの顧客を抱え、毎回の面談準備や報告書作成だけで1社につき約3時間、合計約60時間もの莫大な時間が奪われているという過酷な現実だった。担当者によって報告の質にばらつきがあり、それが顧客離れという経営リスクに直結していることにも気づいた。
「この60時間をシステムで削り落とす。そして、人が本来やるべき『顧客に寄り添う時間』を創り出す」。 海貝の中で、単なる「AI導入」が「業界を救うプロダクト開発」へと変わった瞬間だった。
「もっともらしい嘘」の壁と、エンジニアとしての覚悟
開発は順風満帆には進まなかった。最大の壁は「ハルシネーション」、つまりAIが事実と異なる情報をでっち上げる現象だった。
「言ってないことまで、AIが勝手に推測して報告書に書き込んでしまう」。 税理士という機密情報を扱う世界において、システムのエラーは致命傷になる。AIが出力する結果が正しいのか間違っているのか、海貝は妥協を一切許さず、果てしないプロンプトのチューニングと検証を幾度となく繰り返した。
「AIはあくまでツールだ。最後は人間が手綱を握らなければならない」。 そう確信した海貝は、最新のセキュリティ要件をクラウドに構築するだけでなく、システム設計そのものにメスを入れた。AIが回答を出す前に、必ず人間がチェックして承認する「Human-in-the-Loop(ヒューマン・イン・ザ・ループ)」という安全装置を組み込んだのだ。それは、「AIが作ったものに対し、エンジニアである自分が全責任を持つ」という、技術者としての強い覚悟の表れだった。
若手メンバーに伝える「手を動かす前に、ペンを持て」
海貝の熱量は、チームの若手エンジニアたちにも確実に伝播していった。 彼のチームでは、新卒や若手であっても「先輩の書いた設計書通りにコーディングするだけ」の作業者は一人もいない。AIからフロントエンド、バックエンド、データベース、インフラまで、全領域(フルスタック)に触れる圧倒的な裁量が与えられている。
しかし、海貝は決して答えをすぐに教えない。新たな機能を実装する前、彼は若手たちをPCの前から引き剥がし、真っ白な紙(模造紙)とペンの前に集める。 「さあ、あーだこーだ議論しよう。システムがどう動くのか、まずは自分の頭と手を使って図にするんだ」。
綺麗に分業化された大企業では絶対に味わえない、泥臭くも圧倒的な「生きた開発」の現場。海貝に喰らいつき、悩み抜きながらゼロイチを経験した若手たちは、短期間で劇的な成長を遂げ、自分の言葉で堂々とシステムを語れるプロフェッショナルへと覚醒していく。
「君は、自分の作ったものに責任を持てるか?」
「AIを使えば、開発スピードは信じられないほど上がり、誰でもそれなりのものが作れるように錯覚してしまいます。でも、だからこそ『自分が作った』と言い切れる責任と技術力が、これからのエンジニアには絶対に必要なんです」。
海貝は、未来の仲間に向けてそう語る。 「何を作るか」ではなく、「顧客の根本的な課題をどう解決するか」。視野を広く持ち、ビジネスの上流からシステムの最下層までを駆け抜ける「ジェネラリスト」としての熱い思いが、そこにはある。
当社には、未完成のキャンバスを前に、自らの技術と情熱で新しい価値を描き出す「最高の挑戦の場」が用意されている。 次世代を担うリーダー・海貝とともに、誰も見たことのないAIプロダクトを創り上げる。そんな本気の挑戦に胸が躍るあなたを、私たちは待っている。