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2025.07.16

【成長現場ファイル】「生成AI×クラウド」の最前線で挑む──若手エンジニアたちの成長記録

「このプロジェクトに入って、初めて“社会に貢献する技術”の重みを実感しました。」

そんな言葉から始まった、ある若手エンジニアの振り返り。その目の前に広がっていたのは、生成AIという先端技術と、クラウド基盤の融合による業務革新の世界でした。

今回は、スカイウイルのAIリューションが提供する2つの先進プロジェクト──「生成AI統合活用基盤」と「コールセンター自動化」に関わる若手エンジニアたちの挑戦と成長の軌跡をお届けします。

生成AI×クラウドが変える世界──その最前線に立つということ

最初のプロジェクトは、「生成AI統合活用基盤」。これは、Microsoft Azure上に、お客様専用の生成AIチャットアプリケーションを構築するプロジェクトです。Azure OpenAIやAzure AI Studio、RAG(Retrieval-Augmented Generation)、CosmosDBなどを活用し、業務別・事業別に個別最適化されたAI基盤をつくりあげていきます。

一方、もうひとつの「コールセンター自動化」は、全国から多くの問い合わせが寄せられるカスタマー向けサービス企業からの相談が発端でした。電話対応が急増し、オペレーターの人員が限界を迎える中、生成AIとチャットボットでの応答自動化が急務に。ここではGoogle Cloud(GCP)上でのDialogflow CX、BigQuery、Geminiなどが駆使されました。

どちらも、複数企業が関与する大型案件。業務の社会的意義や影響範囲の広さに、若手メンバーたちは気後れしそうになる一方で、「最先端に立てるワクワク感がすごかった」と語っています。

何も知らない。それでも飛び込んだ。

生成AIを業務レベルで使う──聞こえは先進的でも、実際には未知の連続です。

ある若手エンジニアは、入社2年目で「生成AI統合活用基盤」にアサインされました。ReactやFlaskは大学の課題で触ったことがある程度。Azure関連のサービスや、RAGのような新しい考え方には全くの初心者でした。

「最初の1週間は、とにかく公式ドキュメントを読み漁ってました。用語がわからない、構成が見えない。でも、自分なりに図にしたり、先輩に質問したりして、徐々に全体像が見えてきた感じです。」

リモート中心の働き方ではありましたが、Slackでのやり取り、資料の共有、週1回のコードレビューを通して少しずつチームに溶け込んでいきました。

複雑な仕様に挑む──若手たちが見つけた突破の糸口

若手チームが最初に担当したのは、「文書アクセス制御」の仕様実装。業務別・事業別に学習対象ドキュメントを切り替えつつ、AIに適切な文脈を与えるというRAGの要の部分でした。

「単にフォルダ分けすればいい話じゃなかったんです。社内規定やドキュメントごとに読み取り範囲の条件が細かくて…。構造が複雑で、正直“ムリかも”と思いました。」

そんな中でも、エンジニアたちはあきらめませんでした。ある若手は、Azure AI Searchのパラメータ設定を検証し、類似ドキュメント検索に条件フィルタを追加。別のメンバーは、CosmosDBの会話履歴設計を工夫し、セキュリティ要件に応じたデータ連携のルールを提案。

「先輩が“まずは動くものを作ってみて”と言ってくれたのが救いでした。最初は完璧じゃなくていい。仮説を立てて、小さく検証して、次に進む。その繰り返しが大事だと学びました。」

先輩やクライアントの言葉が、自信に変わった日

ある日、クライアントの打ち合わせで、若手メンバーが直接説明する機会がありました。仕様調整の中で、ドキュメントの属性をどう扱うかが議論になったとき、彼の言葉がプロジェクトマネージャーから高く評価されたのです。

「そうやって構造的に説明してもらえると助かりますね。やっぱり現場をよく見てるんだな、と思いました。」

このひと言が、若手メンバーにとっての転機となりました。以降、設計議論の際には自然と「彼の意見を聞こう」という流れができ、仕事に対する主体性もさらに増していったといいます。

次なる挑戦は“対話をデザインする”仕事──AIとUXの接点へ

前述の案件を経て、次にアサインされたのがGCPベースの「コールセンター自動化」プロジェクト。ここでも、最初は不安だらけだったといいます。

「Dialogflow CXなんて初めて聞いたし、ノーコードとかWebhookとか、想像がつかなくて…。でも、UIが直感的で使いやすく、ノード単位でフローを管理できるのは新鮮でした。」

ここでの成長は、技術というより“対話設計”の力でした。AIにとっての「自然な受け答え」とは何か。ユーザーの感情をどう汲み取るか。エンジニアリングとUXの橋渡しをする力が求められました。

ある若手エンジニアは、実際の通話ログを分析し、AI応答文のバリエーション設計を提案。クライアントから「AIが賢くなってる気がする」と喜ばれたとき、「自分の仕事が価値を生んでいる」実感が湧いたと語っています。

未来を見据えて

「次は、音声認識との連携をやってみたい。Dialogflowの会話だけでなく、音声入力やマルチチャネルのUXをどう設計するか、チャレンジしたいです。」

「生成AIの精度向上も、自分なりにPrompt Flowで改善アイデアを試したい。言語モデルに頼りすぎない工夫を考えています。」

そんなふうに、若手エンジニアたちはすでに次の目標を見据えています。プロジェクト単位で終わるのではなく、得た知見を次の挑戦に生かしていく──その姿勢こそが、技術者としてのキャリアを築いていく礎なのでしょう。

読者へのメッセージ

もし今、あなたが「自分にできるかな」「まだ知識が足りない」と感じていたとしても、大丈夫です。このコラムに登場した若手エンジニアたちも、最初は同じように感じていました。

でも、彼らはチャレンジを止めず、チームの中で助け合いながら、少しずつ自分の力を伸ばしていきました。

技術の最前線に立つということは、常に「未知」との向き合いです。だからこそ、そこで得た一歩一歩の成長は、大きな自信につながります。

あなたの挑戦も、きっと誰かの未来を照らすはずです。

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