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2026.07.15

【SW勉強会コラム】「もう同じ失敗は繰り返さない」新米PdMの不安を自信に変える、Claude Codeを活用した“転ばぬ先の杖”の作り方

「あ、またあの考慮漏れをしてしまった…」。要件定義や仕様策定のたびに、過去と同じような指摘を受けて落ち込む。新米プロダクトマネージャー(PdM)なら、誰しも一度は経験する壁ではないでしょうか。

先日開催された社内勉強会では、AIQユニットの村岡侑馬さんが登壇。「新米PdMが同じ失敗をしない仕組みをClaudeCodeで構築してみた」と題し、最新のAIツールを活用して「個人の失敗」を「組織の資産」に変える画期的なアプローチが語られました。

開発現場のリアルな課題をテクノロジーでどう解決したのか、そのエッセンスをお届けします。

1. 新米PdMを苦しめる「未知の考慮漏れ」とプレッシャー

PdMの業務は、ユーザーの課題解決から開発チームとの連携、QA(品質保証)のクリアまで多岐にわたります。特に新任の時期は、「仕様の考慮漏れ」や「エッジケースの想定不足」が発生しがちです。

セミナーの冒頭で村岡さんが指摘したのは、この「失敗に対する心理的負荷」でした。

エンジニアやQAから「このケースはどうなりますか?」と指摘されるたびに、「またやってしまった」「先輩の時間を奪って申し訳ない」と萎縮してしまう。この感情的なプレッシャーは、PdMの思い切った意思決定を鈍らせ、結果的にプロダクト開発のスピードを落とす原因にもなります。

「属人的な記憶や努力に頼るのではなく、システムとしてミスを防ぐ仕組みが必要だ」。これが、今回のプロジェクトの出発点でした。

2. 失敗を記憶するAIアシスタント「Claude Code」の導入

そこで村岡さんが着目したのが、Anthropic社が提供する強力な開発支援ツール「Claude Code」です。

これまでも、過去の失敗や知見をWikiやドキュメントにまとめる取り組みは多くの組織で行われてきました。しかし、「いざ仕様を書くときに、その膨大なドキュメントを隅々まで探し出して確認する」のは至難の業です。

Claude Codeを活用した仕組みの最大の価値は、「必要な時に、AIから能動的に過去の失敗パターンを提示してくれる」点にあります。

過去のバグチケット、仕様の修正履歴、QAでの指摘事項などをAIに学習・参照させることで、人間が忘れてしまってもAIが確実に記憶し、レビューしてくれる環境を構築したのです。

3. 仕組みの裏側:要件定義フェーズでの「自動セルフレビュー」

セミナーでは、実際にどのようにClaude Codeをワークフローに組み込んだのか、具体的なアーキテクチャが解説されました。

構築した仕組みのステップは非常にシンプルかつ強力です。

  • ・失敗ナレッジの蓄積: 発生した考慮漏れや手戻りのデータを、特定のフォーマットでリポジトリやナレッジベースに保存する。
  • ・プロンプトによる自動検証: 新しい仕様書や要件定義書を作成した際、Claude Codeに対して「過去の失敗データベースと照らし合わせ、今回の仕様で類似の考慮漏れがないかチェックして」と指示を出す。
  • ・即時フィードバック: 「過去に〇〇のケースでエラーが発生しました。今回の仕様では〇〇時の挙動が定義されていません」といった具体的な指摘をAIが数秒で返す。

これにより、人間(先輩社員やQA)にレビューを依頼する前の「AIとの壁打ち(セルフレビュー)」が可能になりました。

4. 劇的な成果:手戻りの削減と心理的安全性の向上

この仕組みを導入した結果、現場には目に見える変化が現れました。

  • ・QAフェーズでの手戻りが大幅に減少: 過去に起きた類似のバグや仕様漏れを事前に潰せるため、開発の手戻りが減少し、リリースまでのリードタイムが短縮されました。
  • ・「怒られない」安心感による成長促進: AIは何度同じことを聞いても、初歩的なミスをしても、決して呆れることはありません。

人間相手だと「こんなこと聞いていいのかな」と躊躇してしまうような確認も、AI相手なら気兼ねなく行えます。この「ジャッジメント・フリー(評価されない)」な環境が、新米PdMに安心感を与え、「失敗を恐れずに挑戦する」ための土台となっているのです。

5. テクノロジーが引き出す、人間の「本質的な価値」

AIが過去の失敗をカバーしてくれるようになると、PdMの仕事はどう変わるのでしょうか。

村岡さんはセミナーの最後に、「AIが守り(防御)を担うことで、人間は攻め(価値創造)に集中できる」と語りました。

エッジケースの網羅や過去のバグの再発防止といった「チェック作業」は、テクノロジー(AI)に任せる。そしてPdMは、「ユーザーが本当に求めているものは何か」「どんな体験を提供すべきか」という、人間にしかできないクリエイティブな探求(High-Touch)に全力を注ぐことができます。

私たちが目指すのは、AIに仕事を奪われる未来ではなく、AIを使いこなすことで「より人間らしい、創造的な仕事を取り戻す未来」です。今回のClaude Codeを用いた取り組みは、まさにその第一歩と言えるでしょう。

編集後記

毎週水曜日に開催されている社内勉強会。今回はAIQユニットの村岡さんによる、実践的かつ現場のペイン(痛み)に寄り添った素晴らしいセッションでした。

「新人の育成」や「ナレッジの共有」はどの組織でも永遠の課題ですが、それを気合いや根性ではなく「仕組みとテクノロジー」で解決していく姿勢は、当社の開発カルチャーを象徴していると感じました。

当社では現在、最新技術を活用しながら、共にプロダクトと組織を成長させていく仲間を募集しています。このような技術交流や課題解決のプロセスにワクワクした方は、ぜひ採用ページもご覧ください!

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