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2025.05.21

【部門ミッションコラム】「テストだけじゃない」時代へ。SQAが変える未来と、君のキャリア

“変わるべき時”が来た。

AIが絵を描き、コードを書き、会話までしてくれる時代。スマートフォンひとつで診察も銀行も引っ越し手続きまで完結する。技術の進化が社会の形そのものを変えつつあることを、私たちは日々の生活で実感しています。

実際、マッキンゼーの2024年レポートによれば、企業の72%がAIを業務に導入し、65%が生成AIを定期的に活用しているといいます。開発現場においても、生成AIがコードを自動生成することが当たり前になりつつあり、DevOpsのスピード感は、これまでの常識を軽々と超えてきました。

しかし――。
そのスピードの裏で、深刻な影響を及ぼす“見えにくいリスク”が同時に広がっているのです。

たとえば、2024年7月に世界中を襲ったCrowdStrike社のソフトウェア更新による障害では、わずか数時間のうちに約850万台のWindowsシステムがクラッシュ。空港の搭乗手続きが止まり、銀行のオンラインサービスが落ち、医療機関の診療予約システムが機能不全に――。まさに「見えないミス」が世界の止まる瞬間を引き起こしたのです。

そして、その“ミス”を防ぐ最後の砦が、私たちSQA(ソフトウェア品質保証)なのです。

けれど、こうした障害を後工程で発見していたのでは、もう間に合わない。技術がこれだけ進化している今だからこそ、私たちの役割も、進化しなくてはいけない。

私たちは今、「最後のチェック係」から「はじめに品質をつくるパートナー」へと、大きな転換期を迎えています。

Shift-Left Testing。
これは、開発の初期段階から品質保証を組み込み、設計思想の時点から“品質”を一緒に創り上げるという考え方。SQAは、もはや「問題を見つける」だけでなく、「問題が生まれないしくみを創る」存在へと進化しているのです。

しかも今、品質保証の対象はソフトウェアだけにとどまりません。
AIの「判断の妥当性」や「偏り」、クラウド環境の可用性、UX(ユーザー体験)の滑らかさ、さらには業界ごとのレギュレーション対応まで、SQAが担う責任領域はますます広がっています。

「品質保証? 地味なテスト仕事でしょ?」
そう思っていたら、ちょっともったいない。
いまこの瞬間、SQAは技術進化の最前線で、「社会の信頼」を守る役割を担う、ものすごく“アツい”領域に進化しているのです。

そして、そんな変化のまっただ中に、あなたがいる。
そう考えると、ちょっとワクワクしてきませんか?

「ただのテスト屋さん」で終わらない。SQAの新しい姿。

「SQAって、開発が終わってからミスを探す人たちでしょ?」

もし、そう思っていたら――それは過去の話です。今、SQAは大きく姿を変えようとしています。

たとえば現在、アジャイル開発やDevOpsの普及によって、「シフトレフトテスト」という考え方が定着しつつあります。

これは、従来のように開発の“最後”でテストをするのではなく、企画や設計の段階からテストの観点を取り入れ、品質を作り込んでいくというアプローチです。

SQAはもはや“下流”のチェック担当ではなく、上流からプロジェクトに参加し、ユーザー視点でのリスクや課題を見極め、設計そのものに品質の視点を組み込む存在になりつつあります。

まさに、「開発と品質保証の境界がなくなる」ような働き方が現実になってきました。

そしてもうひとつ、今注目されているのが、AIシステムに対する品質保証です。

「AIをどうテストするか?」という問いが、社会全体で本格的に議論され始めています。生成AIや自律型システムが広がる中で、その“判断の妥当性”や“バイアスの検証”といった、これまでにない観点での品質保証が求められているのです。

もちろん、私たちもその問いに対して、今すぐに完璧な答えを持っているわけではありません。けれど、この未知の領域に向けて学びを深め、技術的な土台を築こうとしている最中です。そして、数年後にはAI QAというまったく新しい品質保証のかたちを、自らの手で描いていくことになるでしょう。

さらにSQAの役割は、「テスト=社内品質」から、「品質=社会信頼」へと広がっています。

医療機器の不具合が命に直結する時代。自動車のソフトウェアバグが事故を招くこともある。金融や行政システムの障害が、社会の根幹を揺るがす可能性もある。だからこそ、私たちのSQAは「社会の安心を支える仕組み」へと進化しています。

“ただのテスト屋さん”なんて呼ばれていた時代は、もう終わり。
今のSQAは、最先端の技術と社会課題に向き合う、プロフェッショナルな品質デザイン集団なのです。

実は、もう始まっている。現場から生まれる変化。

じゃあ実際に、どんな変化が起きているの?──そう思いますよね。
実はすでに、私たちの現場ではその進化が形になりつつあります。

たとえば、ある自動車メーカーとのプロジェクトでは、テスト自動化の導入を進めたことで、これまで人手で行っていた検証作業が大幅に効率化されました。
空いた時間でメンバーは、上からの指示ではなく、現場の困りごとに耳を傾け、自分たちの視点で「どうすればより良くなるか?」を主体的に考え、プロセス改善やドキュメントの整備に取り組むようになりました。
これは単なる作業効率の向上ではなく、「SQAの価値そのものが進化した」成果です。

また、産業用製品や業務系システムを扱うアジャイル開発の現場では、機械学習を活用したログ解析やデータ分析に基づいて、製品開発の初期段階から品質課題を可視化し、プロジェクト全体の品質マネジメントに寄与しています。
単なる「テスト実施」ではなく、「作り込む前に品質を作る」SQAとしての存在感を発揮したことにより、開発チームからも「QAがプロジェクトの初期段階でここまで関わるとは思わなかった」「助かった」という声が上がっています。

 

こうした成功は、どれもSQAエンジニア一人ひとりの「こう変えてみたい」「こうすればもっと良くなるはずだ」という提案と挑戦から生まれたもの。

だからこそ、変化の主役はいつも“人”なのです。

3年後の私たちの姿を、一緒に描こう。

未来のSQAは、もっと面白くなっていると思います。
テスト自動化は当たり前。AIの品質を保証する技術は私たちの手の中にあり、品質保証の専門家として、プロジェクトの最上流から声をかけられる。

たとえば、君が3年後、「品質コンサルタント」として医療システムの設計段階から参画していたり、あるいは自動車メーカーと一緒に、次世代モビリティの安全性を左右するテスト設計を担っている。そんな未来を、私たちは本気で描いています。

そしてもちろん、そこに至るキャリアパスもしっかりと整備していきます。
今は「テストを実行する」役割だとしても、次は「テストを設計する」、さらに「品質戦略を描く」ポジションへ。必要な技術も知識も、会社としてしっかり支援していきます。

「品質」というと堅く聞こえるかもしれません。けれど、社会や人の“信頼”に直接関わるからこそ、責任は大きく、仕事の手応えも深くなります。
このダイナミックな未来に、自分も関われる。そう思ったら、少しワクワクしてきませんか?

今年は、未来に向けたジャンプ台。

とはいえ、いきなりすべてを変えることはできません。
だからこそ、今年2025年度は「未来へのジャンプ台」をつくる年だと位置づけています。

今年の重点テーマは、大きく3つです:

  • 受託案件の拡大と商流の上昇
    プロジェクトの後工程だけでなく、最初から関わる“品質パートナー”としての立ち位置を確立。
  • テスト自動化の推進とナレッジ蓄積
    属人化を防ぎ、再現性のある品質保証のしくみを構築。すでに自動化の社内導入も複数始動中。
  • キャリアパスとスキル育成の強化
    「テスト実行者」から「品質設計者」「品質コンサルタント」へ──成長のステップを明確に整備。

この3つの土台が揃えば、SQAは「変わっていく」ではなく、「変えていける」領域になります。
その最初の一歩を、私たちはもう踏み出しています。

未来を変えるのは、“誰か”じゃない。あなたです。

どんなに立派なビジョンも、進化する技術も、それを動かす“人”がいなければ、ただの理想論です。
そして、その“人”こそが、いまこの文章を読んでいるあなたです。

会社も、社会も、そしてSQAという仕事そのものも、大きく変わろうとしています。
変化の渦中にいるからこそ、今、勇気を持って一歩を踏み出せば、その先には無限の可能性が広がっている。

あなたの好奇心や、挑戦したいという気持ちが、未来のSQAを創ります。
一緒に、品質の未来を、社会の安心を、そして自分自身のキャリアを、もっと面白くしていきませんか?

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