社会人として成長するためには、ただ仕事をこなすだけでなく、積極的に質問し、知識を深める姿勢が重要です。しかし、質問の仕方によっては「何が聞きたいのか分からない」「調べれば分かるのでは?」と思われてしまい、思うような答えが得られないこともあります。
では、先輩が思わず答えたくなる質問とは、どのようなものなのでしょうか?本コラムでは、質問力を高めるためのポイントと、実際の先輩社員のエピソードを交えて紹介します。
1. 「何を聞きたいのか」が明確な質問をする
質問をするときに最も大切なのは、「何について知りたいのか」を明確にすることです。漠然と「この作業が分かりません」と言うのではなく、「○○の手順のうち、△△の部分が分かりません」と具体的に伝えることで、先輩も答えやすくなります。事前に自分で調べたり、仮説を立てたりすることも大切です。
先輩社員のエピソード:アプリエンジニア Aさん(入社2年目)
私が1年目のころ、最初の現場でプログラムの改修作業を任されました。しかし、エラーが発生して解決方法が分からず、先輩に「このエラーが出て困っています」と相談しました。
すると先輩から「どの部分のコードで、何を試したの?」と聞かれ、何も答えられずにいました。先輩は「まずは自分で考えてみることが大切だよ」と言い、調べ方のポイントを教えてくれました。
それ以来、質問をする前に「どの部分でつまずいたのか」「どんな方法を試したのか」を整理してから聞くようにしました。すると、先輩の反応も変わり、「このエラーなら、○○の設定を見直してみるといいよ」と、具体的なアドバイスをもらえるようになりました。
▶ 今すぐできるアクション
- 質問する前に「何を知りたいのか?」を明確にする
- 自分で調べた内容や試したことを整理してから聞く
- 「○○について△△が分かりません」と具体的に伝える
2. 質問の意図を伝え、背景を説明する
質問をする際には、「なぜその質問をするのか」を伝えることも大切です。ただ「この設定は何ですか?」と聞くのではなく、「○○を実装するために、この設定がどう影響するのか知りたいです」と背景を伝えることで、より適切な回答を得やすくなります。
先輩社員のエピソード:インフラエンジニア Kさん(入社3年目)
1年目のころ、サーバー設定の業務を任されましたが、設定ファイルの記述ルールが分からず、先輩に「この設定の意味を教えてください」と質問しました。しかし、先輩の反応は「その設定は色々な使い方があるから、何をしたいの?」と、逆に質問されてしまいました。
私はそこで、「実はログの管理方法を調べていて、この設定がログの出力に影響するのか知りたいです」と伝えました。すると先輩は「なるほど、それなら○○の設定を確認してみるといいよ」と、具体的なアドバイスをくれました。
この経験から、質問をする際には「何のために知りたいのか」を伝えることが重要だと学びました。背景を伝えることで、先輩も意図を理解しやすくなり、より実践的なアドバイスが得られるようになります。
▶ 今すぐできるアクション
- 「なぜこの質問をするのか?」を整理する
- 背景や目的を簡単に説明する
- 「○○を実現するために、△△について知りたい」と伝える
3. 先輩が答えやすい形で質問する
忙しい先輩に質問をするときは、できるだけ短時間で答えやすい形にすることも大切です。「何を」「どのように」聞くかを工夫することで、スムーズに回答を得ることができます。
先輩社員のエピソード:システム運用エンジニア Mさん(入社4年目)
運用の現場では、障害対応など緊急の作業が多く、先輩たちも常に忙しく動いていました。1年目の私は、分からないことがあるとすぐに「これってどうすればいいですか?」と聞いてしまっていました。しかし、先輩は忙しくて詳しく説明する時間がなく、なかなか答えてもらえないことがありました。
そこで、質問の仕方を工夫し、「○○の処理をしたいのですが、A案とB案のどちらが適切でしょうか?」と、選択肢を提示する形に変えてみました。すると、先輩は「B案の方がいいね。理由は~」と、スムーズに回答してくれるようになりました。
この経験から、「答えやすい形に整理して質問すること」が、良いコミュニケーションにつながることを実感しました。
▶ 今すぐできるアクション
- 「はい/いいえ」で答えられる質問にする
- 選択肢を提示して「どちらが適切か?」と聞く
- 先輩の状況を見て、タイミングを考える
まとめ
質問力を高めることで、学びのスピードが上がり、仕事の成果も向上します。今回紹介したポイントを意識しながら、日々の業務で積極的に質問してみましょう。適切な質問をすることで、先輩からのフィードバックが得やすくなり、より深い知識を身につけることができます。
質問力を磨いて、成長のチャンスをつかみましょう!